「梅林と倉木。両方ともアンタの敵になる。」
「・・・・」
どうゆう事・・・?
アタシは二人の間に立って、黙って会話を聞いているだけ。
わけもわからず状況を整理する事でいっぱいいっぱいだった。
「同盟でも結んだー?」
半笑いで首を傾げた白井に、那智は表情も変えずに言い捨てた。
「そうだ。」
少しの沈黙の後、
那智が急かす様に口を開く。
「どうする?」
「・・・・・」
アタシは白井と那智を交互に見て、
「し・・・」
そう言いかけた時。
「5分待てよ。そしたら連れてっていーよ?アンタのお姫様。」
白井はポケットに両手を突っ込んで、前屈みになり那智に答えた。
まるでふざけてるみたいに。
こんな時に・・・
「・・・・・」
白井は困った顔をしたアタシにニッと笑いかけると、もう一度那智を見た。
「安心してよ?ちゃんと返すから。」
「・・・・・」
那智は長い瞬きをして、一つ溜息をつくと
黙って部屋を出て行った