スーパーの袋を両手にいくつもぶる下げた山崎が、先を行くアタシの背中に話しかけた。


「お前すげーな。」

「は?」


振り返るアタシに、苦笑いを浮かべる。


「何でもねーよ。」

「・・・・・」

コイツが笑ったの、初めて見たかもしんない。





結局


無難にハンバーグにした
簡単だし腹が膨れればいいだろう。


白井と山崎と梅沢、アタシの分を床に置いた段ボールの上に並べて、揃って合掌する。


「「いただきます」」

「・・・・・」

ありえない光景だ。

何でアタシは敵の為に自ら腕をふるわなきゃいけないのか。

そして何故食卓を囲んでいるのか・・・・


白いお皿の上、少し焼き色のついた、やけにデカイハンバーグとキャベツの千切り。

ちなみに、ちょこんと乗った大根おろしは山崎にやらせた。


「おいしーっ」

「まぁまぁだな。」


梅沢と山崎とはよそに、白井は黙々と割り箸を動かす。


「・・・・・」

マズイとか言ったらぶん殴ってやる。

アタシは箸を動かしながら、チラッと白井に視線を向けた。


「・・・何ぃー?」

「・・・・別に。」


目があうと、すぐに視線をそらした。


自分が作らせといて感想ナシかよ。


「おかわりぃー」

「ねぇーよ。」


くだらない事ばかり話していると、コイツらが梅林だとゆう事を忘れてしまいそうになる。


いけない。


その度にアタシは

那智にもらった指輪に、こっそりと口ずけをした