アタシの言葉に、白井は少しも目をそらさずに細く笑う。


「本性ってなぁーに?」

「・・・・・」

すっとぼけてるのか。
ハタマタ天然か。


押し黙ったアタシを見下ろしてから、アタシの目の前で・・・・


バキッ!

「・・・・・!?」

その光景に目を見開く。
握っていたアタシの携帯を、真っ二つにし折った。


「な、何して・・・」

「その前にさ?アンタのほんしょー教えてよ?」

「・・・・・」

バイクからおりて、アタシの目の前に立ちはだかる。

その目は酷く冷たい。

それでも口角だけ持ち上げながら、白井は腰を屈めた。

「王子様を見かけたよ?どうしてかなぁー?」


アタシの耳元で、そっと囁く。


「・・・・・」

スーッと、血の気が引いて行く。


そんなアタシの様子を眺めて、白井は呟いた。


「途中で逃げ出せないよ?最後まで付き合ってもらうからね?」




・・・白井・・・


仲間を傷つけた最低最悪な人間。


でも・・・

アタシにはわからない。


睨みつけたと思えば

アタシを守ったり


首を締めた次の瞬間には


弱みを見せたり


暴力の中生きて

それでも無邪気で不安げに見える。


コイツはアタシを縛り付けて、何がしたいのだろう・・・・