「あのコだって彼氏居るのにさぁ、ねぇ?」

もう一人の子が、もう一人に同意を求める顔を横に向けた。


「うんうん。だから・・」


「・・・・。」



「「気をつけてね!」」


声を揃えてそう言うなり、アタシの様子を伺う二人に



「別に・・・・」


ため息交じり、呟く様に口を開いた。




「「え?」」


「別に直接何もされてないし、言われてない。アタシは由美に例え裏があっても構わないよ。」


裏がない人間なんかいない。
そんな人間が居たら是非ともお会いしたい。



「す、凄いね」

驚いた様に目を見開く目の前の女子を、首を傾げて見上げた。


「は?」




「いや、そうゆう考え方もあるんだなぁって・・・」


「・・・・・。」


何を言ってんだか良くわからない。





「あ、私リア。じゃあね!」

「ちょ、ちょっと」




「・・・・・。」


走り去る彼女を、追うようにもう一人も走って行った。




あー何だかなぁ~・・・



めんどくさ。




パタンッ



アタシはまた目を閉じて体を倒した。