慌てて飛び出して行った梅沢に続いて、アタシも玄関へ向かう。


「・・・・・」

「何してんの・・・」

梅沢が呆気にとられながら声をかける。


「遊んでるよーに見えるー?」


半開きだった玄関のドアが、全開・・・

いや全壊している。


見るも無惨に破壊された扉の前には、しゃがみこみくわえ煙草をした白井が居た。


「あーあー壊れちった」

「壊したんでしょ」

思わず突っ込んだアタシに、白井がニヤッと笑った。


「だって開かないんだもーん。」

「錆びてたんでしょ」

「違う、元々壊れてたんだーっ」

「・・・・・・」

まぁどうでもいいけど、
呆れる。

どんだけ怪力なんだろ。


コイツに殴られて生きてたアタシは奇跡なのかもしれない。


「ボンドでつけよーかぁー?」

「・・・・・」

アタシに聞いてるのか。

しゃがみ込んだままアタシを見上げた。


そんなやり取りを見て、梅沢はニコニコしながら
言った。


「んじゃ修理やさん電話しようかね。」

「・・・・・」

「・・・・・」