部屋の中は予想通りの汚さ。


ある程度座れる場所はあるものの、四方には荷物が山積みになっている。


後は窓際にテレビとビデオデッキがあるだけ


「座りなよ。」

梅沢に言われたものの、アタシは突っ立ったまま

堪らずに口を開く。

白井はともかく・・・

「親とか掃除しないの」


その言葉に、梅沢は当たり前の様に言った。


「あー親いないからね。近所におじいちゃんが居るけど、滅多には来ないし。」


「居ないの・・・?」

「そう。父親は元々いないけど、白井のお母さんは俺らが中ニん時死んだから。」


「そうなんだ。」


「うん・・・泣き崩れて大変だった。」

思い出した様に、梅沢は少し遠くに視線を向ける


アイツでも泣くんだ。


親が居ないって、どんな気持ちなんだろうか

アタシにはわからない。

今例えば母が死んだら、アタシは泣くのだろうか



ガゴンッッ!!
「うわっっ」
ガシャーンッツ



「・・・!」

何?!

玄関の方、激しい音と男の声聞こえた。