とりあえず連中が走り去った方向に、とぼとぼと歩いた。


正直アタシだってビビってる。


白井に関わってから、どれだけの傷と血を目の当たりにした事だろう。


いらなくなった玩具みたく捨てられた由美。


傷だらけにされた倉木。



ババババババ・・・・
ババババババ・・・


バイクの音が近づいてくる。


顔を上げると一台のアメリカンがアタシの少し先、車道のわきに停車されていた。


「・・・・・」

足を進めながら

気付いた。



いつか祐樹と親しげに話していた梅林の二人組。


梅沢じゃない方の奴だ。


バイクの目の前にたどり着いた時


「アンタ祐樹を売ったのか。」


アタシは迎えに来た男に声をかけた。



その男は、キッとアタシを見上げる。


「俺は山崎だ。アンタじゃねぇよ。」


「・・・・・・」

名前を聞いてるわけじゃない。


もう一度口を開きかけた時だった。