坂の上から・・・・


何台ものアメリカンが走ってくる。


バババババババ・・・

バババババババ・・・・


「・・・・・」

黒い艶のあるボディ。
赤い花のステッカー。


「・・・・梅林」

美咲が呟いた声で、アタシの頭の中の考えが


確信にかわる。



PRRRR
PRRRRRR


鳴りっぱなしになったコール音が微かに聞こえる。


それを片手で切りながら、ジッと何台ものアメリカンが通り過ぎて行くのを見つめた。



1番後ろから坂道を下りてくるバイク。


後ろに乗ったデカイ男。


金髪に黒メッシュのボディーパーマ。


間違いなくアイツだ。


バイクはアタシ達の真横を通り過ぎる。


視線が絡む。

「・・・・・」

「・・・・・」


ニヤッと笑った白井がすれ違いざまに何かを投げ付けた。


「・・・・・っ」


キラッと光る何か。

危うく落としそうになりながらそれをキャッチする。


瞬時的に手の平を開きそれを確認した。

「・・・・・」

生々しい血液が付着した金のピアス。


アタシは振り返り、大声で叫んだ。


まるで怒りをぶちまける様に。



「白井ーーっっ!!!」


バイクは走り去った後。


その声は届くはずもない