袋の中身は・・・



「愛美ん家でやって平気なの?」

「あー、大丈夫・・・」

だけど・・・


「じゃあ脱いでよそれ。パジャマでしょ?」


「・・・・はい。」


アタシは躊躇いながら、部屋に戻って着替えに袖を通す。


袋の中身はヘアカラー。

そういえば前にそんな話しをしたっけ・・・


週末にバイトの面接もあるし、染めなきゃいけないんだけどさぁ・・・


那智に染めてもらうのはちょっと・・・


気がひけるのは何でだろ




キャミソールにショートパンツ。

首からタオルをかけたまま、お風呂場のタイルに座り込んだ。


その後ろに膝立ちになって、鏡越しにアタシを見る那智。


「じゃあいい?」

「・・・・本当に?」

苦い顔をして見上げるアタシに、溜息まじりに答える。


「バイト出来なくていいの?」


「・・・はい。お願いします。」


バイト出来ないのは困る


すぐにツーンと鼻につくニオイがお風呂場に充満する。


那智の細い指が、アタシの髪の間を滑っていく。


「・・・・・」

「・・・・・」

無駄に密着しているせいで、さっきから胸がドキドキする。


その音が聞こえているんじゃないかと、鏡越しに那智を見ると・・・


目が会う。

でも那智はすぐに視線を外した。


「ねぇ・・・」


「・・・・?」

手を休めずに、那智が口を開いた。