ッザッ!


砂がすれた音がする。


スクッと立ち上がった那智を、目を丸くして見上げた。



夕日を背中にしょったまま、那智は振り返って笑った。




「いい加減諦めなよ。お前は俺が好きなんだって。」




「・・・・・・。」



ドクン


大きく動いた心臓。


違う。


違う。


なのに・・・・・


だけど・・・・・





「でも、それは困る」


え・・・?


那智は小さな声でそう言うと、アタシに背を向けた。



「・・・・・。」


困る?


そうか。


困るんだ・・・・


どうしたんだろ。


今度は胸が・・・


痛くてしょうがない。