二人とも目を合わせたまま。



先にそらしたのは那智だった。



バイクにまたがったまま、足で引きずるようにしてアタシ達の前まで来る。


「那智ぃ?どしたの?」

美咲が首を傾げても、那智は表情を変えない。


「愛美借りてもい?」


那智は美咲にそう言うと、何故か美咲は困った様に高貴に視線を向けた。



「勝手に連れてけ。」

ボソッとそう言う高貴に、那智はようやく微笑む。


「サンキュ。」


「・・ちょ。」

わけわかんない。

物じゃないよアタシ。


困惑してる間もなく、那智がアタシの手を掴んだ。


「ちょっとい?」



「・・・・。」