「美咲?」


美咲は一人、竜のベットに寝そべったまま、背を向けていた。


アタシの声にもまるで反応がない。


覗き込む様にして美咲の上に覆いかぶさる。


「美咲?」

「・・・・。」

不貞腐れた様な顔をして、アタシを見上げた。


「み・・・」


「愛美は何にも言ってくれない。」


「・・・・。」

返す言葉が見つからない。


本当にその通りだと思ったから。


「親友でしょ?もっと頼ってよ・・・・・・・高貴に聞かされるまで、白井から電話来てるなんて知らなかった。」

泣きそうになりながら搾り出す声。


「・・ごめ・・」

そう言うしかほかない。


「これからはちゃんと言って。思ってる事も悩んでる事も。何でもいいから・・・・・」


「うん。約束する。」

「約束・・・。」

「うん。」


必ず守るよ。

泣きべそかきながらニコッと笑った美咲を見て、アタシも細く微笑んだ。



アタシ



少しだけど


ほんの少しかもしれないけど



変われる気がした



この時、


アタシは本当に




そう思ったんだ。