「よしっっ!!準備完了!」

鏡に向かって笑顔の練習。

毎日やると笑顔が可愛くなるんだって。

「んじゃ、行ってきまーす!」

ドアに背を向けてお母さんにいつものあいさつ。

「いってらっしゃい!気をつけてね!」

「はーい」


ドアが開くと同時に春の風が一気吹いてきた。

「うーさむっ!莉華いるかなぁ?」


親友
上田莉華
小学1年生の頃からの友達で、傍にはいつも莉華がいた。
正直者で明るくて、頭がよくていっつも勉強を教えてもらってる。
部活は同じ吹奏楽部。クラリネット担当。
すごく上手だからソロはいつも莉華。

ほんっっっと憧れちゃうなぁ。



時間は7時45分。

学校の門が閉まってしまう時間は8時20分。

一年の時はなぜか7時50分に席についてやると宣言してた。



「あっ!莉華!!おはよっ!」

「おはよ~!」

「真希今日はテンション高くなーい?」

「え?まじ?別にいつもと変わらない気がするんだけど…。」

「恋してるって思われちゃうよぉ」

「いやだぁ!!!!」


この時は
恋してる=変人
と勝手に思っていた。

だから、恋だけはしたくないと思ってたのに…。


なんでだろう。


今では恋って不思議なもの。
自分をキラキラさせてくれる。

恋ってなんか幸せって感じ。