『もう!ベラベラと喋らなくてもいいよ!時間無いんだから。行くよ!』

そういって堂島さんの言葉の続きが聞けないまま妹さんとどこかへ行ってしまった。

「実は・・・」の後がすごく気になってしまう。

どんどん遠ざかっていってしまう二人の後姿をただ呆然と見ていた。


嵐の様な妹さん・・・

堂島さんとは性格が全く違いそうだ。

なんだかお兄さんなのに妹さんに振り回されてるって感じ。

ちょっとだけ堂島さんが理子さんのような人を好きになるのが分かった気がする。


その時、鞄に入れていた携帯がブルブル震えていた。

携帯を開くとメールが来ている。

送信者は堂島さんだった!

はやる気持ちを抑えながらメールを読む。


「さっきはゴメンネ。今ちょっと妹と一緒でさ、また今度連絡するね」


堂島さんの意外な一面を、いや、見てはいけないようなものを見てしまったような気分・・・

(また連絡するね)とは書かれていたがそれよりもなんでこんな所に妹さんと一緒に居たのかの方が謎だ。

妹さんは制服姿だし堂島さんはスーツ姿だったし。

でも可愛い妹さんだったなあ。

顔もちっちゃくて髪はセミロング。

背は私と同じぐらい。

でも性格は私とは全然違うなあ・・・

ああいう活発な子って昔から憧れる。

私は引っ込み思案だから余計にそう思う。