「あ、あの理子さん・・この方とお知り合いなんですか?」

「え?ああ、知ってるも何も・・充の弟。雅晴よ」

「ええー!!!」

一際大きい声でビックリする私。

歩いている人達の視線が痛い・・・

「そんなにビックリする事ないじゃん」と理子さん。

「で、でも・・・こんな所で会うなんて・・・」

「それもそうよね。ねえ、雅晴。今日はなんでこんなトコに居るの?」

ずっと黙って私の方を見ていた彼が口を開く。

「今日は友達とここで買い物する予定だったんだよ。でもアイツ寝坊しやがってさ」

「何よ?ついに彼女出来たの?」

「女じゃねえよ。男の友達」

「ふーん。そうなんだ」

「・・・・で、こっちの子は?姉ちゃんの友達?」

切れ長の目で私をじっと見る。

「うん。麻美ちゃんって言うんだよ。可愛いでしょ?」

「ま、ナンパされるぐらいだから可愛いんだろうな。興味ねえけど」

内心、ちょっとムカついた。

でも助けてくれた恩人だしここは我慢我慢・・・

「あの、さっきはありがとうございました!」

「あ?別に。礼なんていらねえよ」

(むむむむむーなんて失礼なんだ!本当に兄弟なの?)