個室のあるお店へ入る。

私もそうだが理子さんもワイワイガヤガヤしてるお店の雰囲気は好きでは無いらしい。

二人ともビールとお好み焼き、それからお漬物を注文する。

「なんか久々だね。こうして麻美ちゃんとご飯食べるの」

ビールを飲みながら理子さんが笑う。

「そうですねー一ヶ月ぶりぐらいでしょうか」

「お仕事忙しい?」

「はい。年末に向けてやっぱり忙しくなってきましたね。残業もたまに」

「あら、今日は大丈夫だったの?無理して付き合せちゃった?」

「いえいえ。今日は平気です。なんか今日は会社に居るのが疲れちゃって。理子さんに誘ってもらえて嬉しかったですよ」

「そう。良かった。私も最近疲れちゃう事が多くてさー」

「どうかしたんですか?」

「特別変わった事とかじゃないんだけどね。なんて言うのかな。気持ちが疲れてるって言うか・・」

「あーなんか分かりますよ。私も今そんな気持ちです」

「麻美ちゃんも?なんかね、色々考える事とかあってさー一個一個考えるのに疲れちゃったのよね。仕事の事とか・・・」

「理子さんて何でもスマートにテキパキやっちゃいそうなイメージですけど・・」

「あ、麻美ちゃんもそう感じるんだ」

失礼な事言っちゃったかな・・

「気にしないで。私、昔から周りの人にそういうイメージ持たれやすいみたいなの」

「そうなんですか?失礼な事言っちゃったと思って・・・」

「全然。麻美ちゃんはどうして疲れちゃったの?」

「私ですか・・・」


とてもじゃないけど私の悩みの種なんて言えるわけない。

困った。

こういう時に上手い言葉が出てこない・・・