「アハハみっくん鬼だね」


「え~?だって面白そうじゃん!」


「…勝手にすれば?とにかく俺はもうあの女の顔も見たくないから」



湊がそういうのも分かる。

噂でしか知らないあの女の存在。


――若葉 こころ――




軽い女で、どんな男をも落とす天才。


人のものにも平気で手を出す女。

貢がせるだけ貢がせておいて利用価値がなくなったら即さよなら。



別に俺には関係ないことだけど、その女の噂を聞くたんびに苛立ってしょうがない。


嫌いで、関わりたくもない。



蜜夜に遊ばれて思い知ればいいんだ。

自分が今までしてきたことを。





「陽なんてその女視界に映しただけで殴りたくなるんじゃねーの」


この中で一番女嫌いの幸人が俺にそう視線を向けて言ってくるから



「……興味ねーよ」



とだけ返しといた。



本当に、興味なんてない。

あるわけがない。


そう自分に言い聞かせていた。