___side
屋上で、いつものメンバーの会話を瞼を閉じながら耳にする。
それは女の話題だった。
女?と訝しげに神経を耳においやるがどうも間違いないらしい。
こいつらは皆女が嫌いだから、何故その嫌いな女の話題にあげてるのかと思ったけど
時折もれる女の名前を聞いて妙に納得できた。
どいつも皆俺達の顔しか見てない。
だからいつの日か自分を見せることを諦め俺らも自身を見ることを諦めた。
ただがむしゃらに欲望のまま女を抱く。
俺らは基本女を道具としか見てない。冷めた目で見ている。
だから、こいつらからあの女の名前が出てきた時無意識に反応してしまった。
「いいなぁ湊は。
あの例の子に会ったんでしょ?」
「まぁ、ね。でも噂通りの女だよ。マジ胸糞わりぃ」
「え~?でも可愛いんでしょ?すぐにヤらせてもらえんじゃん?」
「あぁ、キスされそうになった」
「へぇ大胆だね。でも俺そう言う自分に自信のある子を落としてこっぴどく傷付けるのもアリだと思うんだよね~」