でも、頭が悪いらしいこの人達は梨磨の言葉にキレるわけでもなく



「ハハッギャップ萌えって奴!?俺気ぃ強い子って好きなんだよね!」


「もうこんなとこで話すのもなんだし出ようぜ」



殊更盛り上がり出した。

話すって…貴方達の口が止まらないだけでしょ。




梨磨…こめかみがピクピク震えちゃってるよ。

でも、お願いだから何もしないでね?


入学式の火からこんな悪目立ちを梨磨にはさせたくない。



それに、解決策ならある。

この男達にはかなり効果的な、ね。





「だから、言ってるじゃないですか」


梨磨にチラッと目を合わせて、意思を伝える。

私の意図を読んだ梨磨は苦肉に顔をしかめる。


そんな顔しないで。

私なら全然苦でもないから。


何かを守るためには自己犠牲も必要なのよ。

この場合の守りたいものといえば、梨磨と…



自らつけている仮面。




この仮面を剥ぐわけにはいかない。

悪女になりきってみせる。




「ふふ、聞き分けのない人たちね?」



ズイッとリーダー格の男に顔を近付ける。

男の目に動揺の色が見てとれる。



あんなに楽しそうなことベラベラ喋っていたのに


いざ、思ってもないことが起きるとキョドってしまうのね?