「だって…」


「ん?俺の言うこと、聞けないの?」


「――っ」



たった一言で黙らせた…?


この男…何者…?





「早くこから去らないと、どうなっても知らないよ?」



その男の言葉に、ビクンと肩を震わせた女達は逃げるようにしていなくなった。


何なの……?




ま、だったら私も戻ろ。

てか私の教室どこだろ。


梨磨に見に行かせておいて、肝心の梨磨に会ってないから自分が何組なのか分からない。



梨磨…なかなか戻らない私を心配してる、かな。







「ねぇ、大丈夫?」




………!




そうだ。今ここにいるのは私だけじゃないんだ。



顔をバッとあげると


今度はしっかりと男の顔を捉えた。





目が、点になった。