痛い、けどこの痛みにも慣れた。



私は頬に手をあて、目の前の女を見据えた。


真っ赤に目を充血させて私を憎しみのこめられた目で睨みつけている。



それをまるで他人事のように感じるあたり、自分自身相当冷め切ってるなと思った。


そんな見てくれだけしかみない男のどこにこの人は惹かれたんだろうか。

私には魅力の一つも感じられないけど。



そんな男のために泣くなんて、頭おかしいんじゃないの?





「ふざっけんな…!
あんたなんか消えちゃえばいいんだ!」


「あんた陽《はる》目当てでこの学校に来たんじゃねーだろうな!」



は?

そいつ誰?


太一って名前よりも頭にスって入ってこないんだけど。




「ふん、陽は女嫌いだしあんたなんか目もくれないだろうね!」


だから、何?

女嫌いってことは貴女達も嫌いってことなのに、意味分かって言ってんのかな。




まぁまず私が異性に関して興味持つなんて有り得ないけど。

どんな男でも、ね。



外見がどうであれ男なんて中身は皆一緒でしょ。



自分の思い通りにならないと気がすまない。

自分が一番だとすぐに勘違いする。

プライドが高い。



人が良さそうな見た目だって、中身はどれも変わらなかった。