「岸本ーこれ担任が、ってなにシケた面してんの?」

「谷口…」

「うわー空気読んでよ」

「ひでーっ!」


谷口は、「はい」と一枚のプリントをあたしに渡した。


「ありがと」

「どうかしたの? ぁ…飯田?」


思わず、ピクンと肩が反応した。

谷口は、フッと優しく笑う。


「別れた?」

「…わか、んない…」

「ふぅん…。あのさ、今日の放課後暇?」

「ぇ、うん…まぁ」

「じゃあさ、ちょっとつき合ってくんない?」

「ぇ…」


突然の誘いに、あたしはとりあえずコクンと頷いた。