翌日の朝、あたしは思わず手から鞄を落としそうになった。
な、な、なっ…!!
蓮の隣には、ピッタリとくっついている奈津子ちゃん。
クラスの人も、驚いているのかコソコソと喋っている。
あたしは一回深呼吸をして自分の席に座った。
「ちょっとちょっと! 桃嘉! イイダメと別れたの?!」
「別れてないよ…」
「じゃあ、あれなに?! 堂々と浮気?!」
「違う、と思う…」
確信なんて…もてないよ、蓮。
「桃嘉、なんかあったの?」
「…なんもないよっ」
「…」
「ねぇ、今日の授業さ家庭科のセット忘れちゃって」
「今日家庭科はありません」
「…」
「桃嘉」
「…実は、さ…」
あたしは、昨日奈津子ちゃんに宣戦布告をされた事を怜に話した。