「…れっ、くるし…っ」
「あと一回」
今日の蓮…ちょっと変だ。
蓮は、そっと顔を近づけてくる。
唇が重なる寸前の時だった。
「れーん!! あのさぁ! …ぁ」
勢い良く開く部屋のドア。
開けた主は…蓮のお姉さん、栞(シオリ)さん。
茶髪で少しパーマをかけていて、顔は蓮のように整っていて、すっごい綺麗な人。
「ごっめーん、お邪魔しちゃったぁ?」
「…早く出てけ」
「ぁ、それよりゴムない?」
「ぁあ? んなのあるか、バァーカ! 兄貴に聞けよ!」
「真、今デート中なんだもーん」
「あっそ。俺はない」
「引き出しはー?」
栞さんは当たり前のように、蓮の引き出しを開ける。
「あのな…」
「だって、今からするんでしょ? 余りぐらいないの?」
「しないし、ない。早く出てけ」