「れ、れん…?」

「…戻る」


蓮はそう小さく言って、自分の席に戻ってしまった。


あたし…なんか悪いことしたかなぁ…。


「へぇ、イイダメにも可愛いとこあんじゃん」

「怜、聞いてたの?」

「聞こえたの。なぁんだ、もっと冷たい奴だと思ってたけど、結局は高校二年生なんだねー」

「なに今更…」

「まっ、気づかないのが桃嘉だよ」

「え、あたしが…なに?」

「桃さぁ、あんまイイダメに我慢させてたら可哀想だよ?
イイダメだって、健全な男子高校生なんだから」


前蓮に聞いたけど…

微妙な形で終わったんだよね。

やっぱだめなのかなぁ…。



あたしはしばらく考えてると、教室のドアが開く音がした。

見ると、担任と…その後には、転入生と思われる人物。