夜、8時頃。
電話がかかってきた。
「桃嘉ー蓮くんのお母さんから」
蓮の…??
「はい、」
『桃嘉ちゃん?』
「はい…」
『蓮、そっちにいない…?』
「ぇ──…」
『まだ、帰ってないの。
桃嘉ちゃん、知らない?』
もしかして…。
「ぁ、あの…今、思い当たるところあるので、行きますっ」
そう言って、あたしはコートを着るのも忘れて家を飛び出した。
ここから駅二つ…。
あたしはギリギリで電車に乗り込み、
ダッシュで遊園地へと向かう。
まさか…
嘘、でしょ…??
遊園地の入り口には、
知っている人影。
「おせーよ」
悪戯っぽく笑う、蓮。