あたしは、一人でいつもとは違う道で帰った。

いつもの道で帰ったら、きっと…

寂しすぎて涙が止まらないから。


蓮…

『なぁ、なんで泣いてたの?』

蓮…

寂しいんだよ…。

君が隣にいないと、


こんなにも寂しいんだ。


あたしは止まらない涙を必死に拭いながら、家に帰った。


「…ただいま」

「あ、おかえり。桃嘉、蓮くん最近バイト始めたの?」

「え、うん…」

「そっかぁ〜。じゃあ、あれ蓮くんなのかな〜」

「?! どこで見たの?!」

「いや、あのね、公園の向こう側に焼き鳥屋さんあるじゃない?
そこに蓮くんがいてねー」

「やき、とり…」


あたしはすぐに着替えて、家を飛び出した。