「蓮…」
「ん?」
「変更、本当に無理、かな…?」
「…お前もか」
「だ、だって、せっかくの球技大会だし…」
桃嘉は、申し訳なさそうに聞いてくる。
…俺って、桃嘉に弱いかも。
「…隣のクラスに聞いてみっか」
「え?」
「確か、向こうの女子はサッカーだったよな」
「ぁ、うん…」
「ナツのとこだし、行ってくる」
「え、い、今じゃなくても…」
「明日提出です」
俺は、そう言って、隣のクラスに向かった。
ナツを呼んで、交渉。
「わりっ」
「ん、いいよ。ちょうどあたしのとこも、バスケ多くしたいって言ってたし。
男子も変えてもらえて嬉しい」
「わりぃな」
「いいって!」
「じゃあ、明日委員長に報告しとく」
「うん」
「マジサンキュ!」
教室に戻れば、拓海が「どこ行ってたんだよー!!」と文句を言ってきた。