「…いいの? 桃嘉ちゃん」
「あいつは、飯田にべた惚れだよ」
「…」
俺が転校してきてた時からわかってた。
彼女の視線の先はいつだって、
飯田だったから。
俺が隣に座ってても、
その瞳が俺に向いた事は一度もない。
話しかけて、俺を見たと思ったら、
ほんの少しの間でも、飯田を見つめていて。
敵いっこねぇじゃん。
あんなに惚れさせてさ。
あんなに…惚れててさ。
「バカだね、あんた」
「あ?」
「そんな事わかってたでしょ?
なのに、
なんで惚れたの?」
そんなの…
答えは、一つだ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…