しばらく経つと、玄関の開く音が聞こえた。
「ヤベ、帰ってきたか」
そりゃ、そうだよね…
もぅ、4時半だし。
「ただいまぁーって、あれ? 谷口は?」
「ぁ、えっと…上」
「そっか。んじゃ、夕飯にしようぜ」
「おぅ」
蓮は、あたしの頭をポンと優しく叩いて、翼くんの方に行ってしまった。
…キュン、ってしちゃったよ。
「仲直り、したんだ」
「ぁ…」
「…ふぅん」
「え、えっと…」
「諦めないから」
「え…?」
「あたし、蓮の事ずっと好きだし」
「ぇえ?!」
奈津子ちゃんは、クスッと笑って、
階段を上って行った。