「桃嘉…?」
谷口の言った通り、
蓮だった。
…ヤバい。
蓮に、会わせる顔がない…。
だって、今…
あたし、谷口に抱きしめられてた。
「あ、あたし、きが」
「桃嘉っ」
蓮は、着替えに行こうとしたあたしの手首を掴む。
逃げようとしても、
男と女の力の差は歴然。
「…ごめん」
その…”ごめん”の意味は??
別れようって意味??
「別に…っ。蓮は、奈津子ちゃんみたいな子が好きなんでしょ?」
「なわけないだろ」
「…ッじゃあ、なんで側にいてくれないの?!」
「…」
「…ッ!!」
自分の言葉が恥ずかしい。
妬いてるのがバレバレだ。
あたしは両手で口を隠す。