「たにぐち…っ?」
「…好きだ」
「…っ」
「今だけ」
「ぇ…」
「今だけ…こうさせて」
すると、抱きしめる力が少し弱まった。
…ごめん、ごめんね。
こんなにも、
彼はあたしを想ってくれてるのに。
あたしは、その想いに応えられない。
しばらくすれば、玄関の開く音がした。
その音と共に、谷口はあたしから離れた。
「どうせ、飯田だろ。俺、寝室いるな」
「ぁ、うん…」
谷口は、少し悲しそうな笑みを見せて、寝室へと行ってしまった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…