あたしの方が、

何十倍も、何百倍も、何千倍も、何万倍も…

蓮くんの事が好きだよ??

ずっとずっと…好きなんだよ。


ねぇ、お願い…



「こっち見てよ…っ!!」



あたしに、

その優しい瞳を向けて。



「…ナツ、ごめん」

「いやっ!! いやだ!! あたし、蓮くんじゃないとだめなの!!」

「んじゃ、俺と同じだな」

「ぇ…?」

「俺もさ、桃嘉じゃないとだめなんだよ」

「…ッ」

「なんであいつなのかは…俺自身も、よくわかんね。でも、すっげぇ好きなんだ。だから…
ナツのキモチには、応えられない。ごめんな」

「…」

「ナツもさ、自分の世界をもっと広げろよ」

「あたしの…せかい…?」



蓮くんは、優しく微笑んで頷いた。