「彼女が具合悪いのに、放っとく彼氏がどこにいんだよ」

「で、でも…せっかくの海なのに…」

「まだ一日目だろ? あと4日もあんじゃん。その4日を楽しむためにも、早く具合よくなれよ」

「ぅん…っ//」

「んじゃ、今は寝てろ」

「…じゃあ、手、握ってくれる…?//」

「ふっ、喜んで」


俺は、掛け布団と敷き布団の間から出る手を優しく握った。

はにかむ桃嘉が可愛くて、俺は桃嘉の額に唇を落とした。

予想通り、桃嘉は顔を真っ赤にして、布団の中にもぐった。


「ぷっ」


そんな桃嘉を見て、俺は思わず吹き出した。


しばらくして、桃嘉の寝息が聞こえてきた。

「…桃嘉」


俺は、桃嘉の唇に、キスをした。



「好きだよ」




そう、耳元で囁いた。