俺と桃嘉がつき合うことになった、っていう噂はあっという間に広まった。
だからか、廊下を歩けば注目の的。
普通に歩けない。
…けど、その噂で俺の停学の噂はほとんど聞かなくなった。
時々でてくるぐらい。
まぁ、噂なんて俺は全然平気なんだけど。
だけど、それは俺だけみたいで。
「大丈夫…?」
桃嘉は俺の噂が、俺の耳に入る度に聞いてくる。
自分じゃなくて、俺のことが心配みたいだ。
心配してくれるのは嬉しいけど、
心配させたくない。
「全然平気」
そう笑って、俺は返す。
君には、心配をかけたくない。
恋愛初心者の俺は、こんなバカな…
意地っ張りをしてた。