蓮とベッドに座り、あたしは今までのキモチを全部話した。

その間…ずっと、蓮はあたしの手を握っててくれた。


「…ごめん、なさい」

「なんで桃嘉が謝るんだよ。謝るのは、俺だろ…ごめんな、気づけなくて」


あたしの頭をそっと撫でる手は、大きくて…温かかった。


「ぁー…なんか、今更言うと言い訳っぽいけど…聞いてくれるか」


少し…不安そうな顔で聞く蓮の胸に寄り添い、あたしは「うん」と返事をした。


「ナツとは…幼なじみみたいなもんなんだよ。
俺が小学生の時ナツと会った。そんときのナツ、ものすげぇ俺に冷たくてさ」

嘘…今、あんな態度なのに??

「でも、だんだん心開いてくれてさ。それが嬉しかったりして、気づいたら妹みたいな存在だった。そんで、あいつの母親の体調が急に悪くなって、地元のアメリカに帰った。ちょうど、中学になる頃だった。

言った通り、ナツの事は妹みたいな存在だし、ましてや恋愛感情なんて考えもしなかったし」

「じゃあ、好き、とか…」

「お前以外にそんな感情は持ち合わせていない」

「ほ、んと…? 頭悪いんだよ? 運動神経だって良くないし、スタイルだって…」

「俺が桃嘉に惚れたのは、そこじゃないんだけど」

「他の子よりヤキモチ妬きだし、バカみたいな独占欲まであるんだよ…?」

「んなの、全部ひっくるめて好きなんだ。ってか、逆に可愛いから」

「でも…でも…バカ、みたいに…


蓮が好きなんだよ…っ?」


蓮は、フッと優しく笑って、あたしをそっと抱きしめた。