『刹那は…いつもあたしを見ててくれた。
なのにあたしは留学して
日本に戻ってきてから
素直になれなくて…』


幸せは全部あんたが
くれた…――
あんたとのすれ違いは
全部あたしのせい…――


『なぁ拓哉。
あたしはこれからも
刹那のこと想い続けても
いいかな?』

『麻衣がこれから先も…
刹那のこと想ってくれる
のは嬉しい。
でも麻衣に大切な人が
出来たときは…その人の
こと大切にしてやって
ほしい。
じゃないと…麻衣が前に
進めなくなるから』
『ぁりがと』

それからあたしと拓哉は
刹那との思い出を
語った。
刹那との思い出を
振り返りながら喋る
拓哉は――
『やっぱいい奴だよな。
もっと二人で色んな
事して馬鹿やって
いきたかった。
あいつともっと語りたかった。
それじゃあ俺…帰るな。
またなんかあったら
言ってな』

あたしは拓哉に手を振りその後ろ姿を見送った。