『拓哉…ありがと』
『俺はあいつの想い
そのまま伝えただけ。
でも…何で刹那は別れた
後でも米倉と普通に
話ししてたんだろ…?
あいつにとっては嫌な奴
だって思うのに』

されはきっと…
『稚沙に…普通に話して
って言われたらきっと
迷いなく“うん”って
言うはずだよ…』
刹那は稚沙のこと嫌な奴
なんて思ってないでしょ?

『それと…あと一つ。
刹那…あの日どこに
向かってたと思う…?
事故があった日』
『事故があった…日?』

『麻衣のとこ…
向かってたんだよ』

あたしは言葉が
でなかった。
あの日…あたしのとこに
向かってる途中に
事故にあったの…??

『麻衣とすれ違ったまま
卒業したくないって…
振られてもいい。
俺の気持ち伝えるって。
夜中なのに…馬鹿だよな。でも伝えたかったんだよ…ちゃんと…麻衣に。
俺さきに降りてるから』
『…うん』

刹那もあたしのこと
想っててくれてたんだ。

こんこんっ

部屋のドアをノックした
のは刹那のお姉さん
だった。

『麻衣ちゃん。
これ刹那の携帯…持ってて?
きっと刹那も喜ぶと
思うから。
あと…この部屋のもの
持っていっていいから』