それから卒業式が
終わってクラスで由夜と
話しをしていた時…
目にはまだ涙を
ためている稚沙の姿が
あった。

『麻衣…少し話せる?』
あたしは戸惑った。
稚沙と話せば酷いこと
言ってしまいそうで。
でも…自分の中でちゃんとけじめをつけたくて…
『いいよ…少しなら』
あたしと稚沙は場所を
変えた…少しの間
沈黙が流れる。
先に口を開いたのは
稚沙だった。

『さっきの答辞…
すんごいよかった。
刹那のこと本当に好き
なんだなって思った。
刹那が留学する時…
付き合ってること
黙っててごめん…。
言いにくかったんだ。
麻衣も好きなの知ってた
から。
あたし…刹那のこと
一目惚れだったの!
入学式の時から…だから
彼氏と別れたし!』
何言ってんの?
“無理だ”
“かかわりたくない”
とか言ってたくせに?