その時…携帯が鳴った。
着信 拓哉

ピッ――
『拓哉?どうしたの?
こんな時間に』
部屋の時計を見ると
夜中の2時…
『麻衣っ落ち着いて
聞いてっ!!
…が……て…た』
『何?聞こえないっ』

『刹那がっ!
刹那が交通事故にあって
……死んだ』
『………えっ?』
嘘でしょ?
刹那が……死んだ?

『場所…学校の近くの
病院だから!
早く来てなっ!』
なんかの冗談でしょ?
また電話がかかって
来て確認しないまま出る。
『麻衣っ由夜だけど!』
『ゆう…や?
刹那…死んだとかって
嘘…なんでしょ?
冗談でしょ?
お願い……由夜…。
冗談だって…言って』

あたしはただ刹那が
死んだのが信じ
られなかった…。
ただ誰かに…
冗談だって…言って欲しかった。

『麻衣…黒崎はっ
天国に逝ったんだよ。』
刹那はもう…
ここには…いない。
あの笑顔も…
二度と見れない。
『今から…病院向かうから。』


あたしは着替えて必要な
ものだけ持って
家をでた。
歩いてる間も刹那のこと
しか浮かばなくて…。

病院に着いたあたしは
待ち合い室で待ってた
拓哉と一緒に
病院へと向かった。