きっと由夜に刹那が
拾っててくれてたこと
喋るとさっきの二人の
ことを思い出すから
言えなかったんだ。

あたしは涙を拭い
自分のクラスに戻った。

『由夜〜あったよ』
由夜はあたしの頭に
手をのせて
『よかったな。
親切な人がいて!』
『……うん』

あたしはみんなに混ざって片付けを始めた。
あたしのクラスの
喫茶店はどのクラスの
店より売り上げが
多かった。
あたし達はみんなで
抱き合って喜んだ。

先生は嬉しさのあまり
泣いていた…
最高の思い出になった
文化祭だった。


文化祭が終わり
あたし達三年生は
自分の将来のことを
1番に考えるように
なっていた。
『麻衣どこに就職
するの?』
『んー…』
あたしは悩んでた。
あたしにはやりたい事が
二つあったから。

『福祉関係に就きたい
けど…
留学して英語がもっと
スキになったから
通訳にもなりたい』
『麻衣やったらどっちでも大丈夫だよ…。
あたし応援するから!』
『ぁりがと…由夜は?』
『あたし?短大行く予定。将来の夢は保育士だからさ!』

『由夜に合ってる。
頑張ってな!』
『おぅ!』
チャイムが鳴って
授業がはじまる。