『刹那〜ぁのさ』
と言いながらドアを
開けた。
そこにいたのは…稚沙。
稚沙とこうやって会うのはあたしが二人に留学の
話しをした時以来。
『稚沙…』
刹那の稚沙と呼ぶ声…

二人をこんな近くで見て
また涙が出そうになる。
『麻衣…あのさ』
『なんか用あるみたいだしあたし行くね…。
それにクラスの片付け
あるし…』

あの時と同じ…
また逃げるようにあの場所から走ってるあたし。
刹那と稚沙が見えなく
なってから壁に
もたれ掛かて思わず泣いてしまったあたし。
『あたし…なに期待
してるんだろ。
刹那は…稚沙と付き合ってるのに』

由夜の言ったとおり。
やっぱ違った。
言うのと見るのは
大違いなんだ…。
もぅ…無理だ。
二人のあの姿なんて
見たくない。
その時携帯のバイブが
なった。
由夜からのメール

《ブレスレット
みつかった??》
《あったよ〜》
《よかったね
どこに落ちてた?》
《五組の教室に
落ちてたみたい
今教室に戻るね》


由夜には本当のこと
言えなかった。
刹那が拾っててくれた…
なんて。
言っちゃいけない気がしたんだ。
んーん違う。