誰かが何かを
遠くから喋ってる
気がする…

それが確実に
聞こえて来る言葉
――“麻衣”
あたしの名前を呼ぶ声。
あたしはゆっくり
目を開ける。
『麻衣っ!!
心配したじゃん!
ほんま…生きててよかった』
周りには
刹那・稚沙・陸人・拓哉…
友達…クラスのみんな
先生がいた。


あたしの右足は捻挫…
左腕は骨折。
入学そうそう大怪我を
してしまったあたし。
『みんな…合宿に
戻らないの?
せっかくの思い出になるんだから…
戻った方ぃぃよ?』
あたしは出来る限りの
笑顔で言った…

『俺らは麻衣の側に
いるから。
同じ班だしな…それに
麻衣がいないと
楽しくないしな…。
いいだろ…先生?』
『わかった。
他の生徒は合宿に戻るぞ』
先生はクラスのみんなを
連れて病室から
出て行った。
『みんな…ごめん。
ありがと』