「先生…?」


先生の体の体温が徐々に私に移ってきた


「泣くな…」


「え!?うそ…」

頬に手をやると、明らかに涙で濡れていた


それが分かったとたん涙が溢れてきて止まらなかった


「うぅ…せんせい私どうしたら良いの!?明日遊びに行こうなんて軽く言っちゃったよ…」


何にも考えてなかった…日本に残る喜びの方が大きかったから…


でもお母さんたちは、きっと辛いよね!?


「そこまで自分を攻めるな!!」


先生はそう言って私の頭をポンってした…


「だって…」


「尾崎は家族と旅行したことは!?」


「え…ないですけど…忙しいんで」


「だったら初旅行と思って明日楽しめば良いじゃないか!お前が笑顔だったら親御さんたちも安心すると思うぞ!?」


「そうかな…」


「あぁ!だから明日は思う存分家族と楽しんでこい!!」


「はい!ぐすん…先生ありがと…」


「何また泣いてるんだよ~」

「ううん…これは嬉し涙だよ」


「先生には勇気をもらってばっかりだね…」


「気にすんなよ!?」


「また何かあったらメールなり電話なりしてこいよ!!」


「はい…」


先生はそう言うと、車にのって帰っていった


「先生…ありがと…私頑張るね」


私は先生の車が見えなくなるまで見送った



先生もそれに気づいて、ずっと手を振ってくれた