「ちょっ!なにしてんの!?」
俺が、屋上をなにげなく歩いていたら、
今まさに、飛び降りようとしている、
1人の女の子がいた。
「動かないで!今行く!」
俺は我を忘れ、その子の方に向かった。
「こないで!!」
突然大声をだされ、衝動で止まってしまった。
「やめて。この先いいことなんか何一つないの。
神様は、私をいらないって…」
「そんな訳ないだろ!」
彼女の言葉を遮るように、
俺は口を開いた。
「たまたま悪いことが続いただけだ!この先いいことがある!保障する!!」
「なんでそんなに私にかまうの?初めて会ったばかりじゃなぃ!」
「そんなの関係ない。みんな生きてんだろ?」
「…。」
彼女は、なにも言わなかった。
「生きてるから、辛いとか、苦しいとかいえんだろ!」
俺は、一心不乱に、彼女の元へ向かった。
とっさにつかんだ手を、俺は離さなかった。
「そんなとこいねーで、こっちこい。」
「うわぁぁぁー」
彼女は突然泣き始め、俺の胸に飛び込んできた。
それから俺は、
なぜ飛び降りようかしたか話を聞いていた。
名前は、七橋 桜(ななはし さくら)
高校1年生で、俺と同い年。
大きな病を患っている。
そして、
辛い闘病人生から逃げ出そうとして
飛び降りようとしたらしい。
そして俺は、夕方になるまで、彼女の話を聞いていた…。

それが俺と、桜の出会いだった。。。