「やっぱりすげーよ、榛名は」 悔しそうに地面の砂を握りつぶす高木くん。 「高木くんも凄かったよ?ちゃんと見てたもん」 「うん、ありがとう」 ――あの時…… 半周過ぎた辺りで心の中で叫んだ“頑張れ”という声はどちらかにではなく二人に送ったもので。 それが届いたのは榛名くんだった。 「高木」