「行け~っ、紫苑!」 隣りでさくらちゃんと希沙ちゃんが声をあげて高木くんを応援する。 私は息をのみ、二人の姿を見守る。 「――あ、紫苑がトップだ!」 半周が過ぎた辺りで順序が入れ替わり、2番目に走っていた高木くんがトップに。 「まだ分からないよ。榛名とせめぎ合ってるじゃん」 どちらが勝っても可笑しくない。 こんなにハラハラドキドキするリレーは初めてだった。 “――頑張れっ”