「この勝負、凄い楽しみだよね」


「学年人気の二人がスタートで競い合うなんて、こんなの滅多に見れないし!」


1年生から順番に2年、3年へと繋がれるバトン。

その第1走者目が二人なのだ。


スタート地点に立った二人は、互いに顔を合わせ何やら会話を交わす。


けれど当然ながら、この距離からは何を話しているかまでは分からない。



『位置について、よーい、“パーン!”」


男子はコーナー1周の為、どんなに前半頑張っても体力が続かなければ後半で追い抜かれる。


一番トップに躍り出たのは他のクラスの男子。

その彼を追う様に高木くん、榛名くんが並ぶ。