「ちょっ……何してるの、紫苑!」


それまで崎本くんと言い合っていたさくらちゃんが、紫苑くんの行動に気付き、慌てて私達を引き離す。


「何って愛の告白」


「告白って……麻有には冗談通じないんだから、からかうなら他の女にして!」


「酷いなあ、冗談じゃないって。俺はマジで佐脇さんのことが好きなんだけど」


思いもよならない形での初めての告白に、私は驚きのあまり言葉を失う。


「ええ?今の聞いた?!紫苑が佐脇さんのことが好きだって」


告白を聞いていたクラスメイトがざわつき始める。


「これから俺のこと、よく知ってもらいたいから取りあえずは普通にしててよ」


そう言うと、一人で居た小沢くんの元へと戻っていった。