「虎太郎のやつ、本当は本山のことが好きなんだよ」


「ええっ?!」


高木くんの言葉に目を大きく見開く。


「意外と不器用なんだよな、アイツは」


「そ、そうだったんだ……。あ!もしかして崎本くんのために同じグループになろうとしたの?」


“気が利くなあ”と思って訊ねると、ううんと首を振られた。


「……違うの?」


「何で俺が虎太郎のためにそこまで気を利かせなきゃならないのさ。俺は自分のためにしたの」


「自分のため?」


「そ!俺が佐脇さんと同じグループになりたかったんだ」


そう言って私の手を取った。